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あなたの「最後の」カウンセラーになります。今度こそ本当に自分を幸せにする覚悟でおいでください。by ライトハウスカウンセリングルーム

「死へのプロセス」の六段階

  27, 2011 23:09
エリザベス・キューブラー=ロス。彼女は末期患者200人に面接した体験から、死を前にした患者がたどる五段階のプロセスのモデルをあげています。そこに、アルフォンス・デーケン神父の付け加えた第六段階目までを。


1)否認

告知された患者は、まず自分が死ぬという事実を否定します。無理のないことですが、自分が死ぬということを受け入れられないのです。そして、医師の診断は誤診に違いないなどと思い込もうとします。これは自己保存本能の自然な表れと考えられます。


2)怒り

自分が死ぬという事実が否定できないことがわかると、「なぜ、今、私が死ななければならないのか」という問いかけが、怒りとともに発せられます。この怒りは看護にあたる家族や医療関係者に向けられることが多いのですが、患者は決してそれらの人々に個人的な恨みを抱いているわけではありません。この怒りは「私は生きている!」という患者の自己主張なのです。

この時期の患者は精神的な支えを切実に必要としています。周囲のものは、忍耐と再診の配慮を持って患者に接する必要があります。


3)取り引き

怒りが収まると、患者はせめてもう少し生き続けたいという願いから、医師、運命、神などに対して、死を少しでも先へ延ばしてくれるように交渉を試みます。いわば取り引きです。この段階は短いながら、患者が周囲に対して最も開放的・協調的になる時期です。したがって、理性的なコミュニケーションも可能となります。出来れば患者に、この機会に身辺を整理し、やりかけの仕事を片付けて、未解決の問題に決着をつけるように進めることが望まれます。また患者が自らの人生を振り返って、全生涯を貫く意義を見いだせるように手助けすることも必要でしょう。
「人生の見直しと再評価」と呼ばれるアプローチでは、患者に生涯の出来事を見直させ、過去の生活から持ち越した葛藤の解決や、傷ついた人間関係の修復を促し、患者が過去の出来事の意味を再評価して、人生を調和と完成へ導くことができるように、援助を行います。
「取り引き」の段階での人生の見直しと再評価は、患者が死への恐怖を乗り越えて穏やかな受容の段階に到達するのを助けるばかりではなく、逆に、この時期を逃すと手遅れになる危険性も大きいのです。


4)抑うつ

いよいよ近いうちに、すべてを失わなければならないという自覚が深い鬱状態を引き起こします。
この段階で何よりも大切なことは、周囲の者がなるべく患者の傍に付き添っているように心がけることです。そばに居ても何もしてあげられないという無力感を味わうのは大変つらいことですが、この時期になると見舞客の足も遠のくことが多く、患者は人々から見捨てられ、孤独のうちに死ななければならないのではないかという寂寥感に苦しめられます。何も話さなくても、ただ手を握って傍にいるだけで、患者の精神的な支えとなることができるのです。最後まで決してひとりぼっちにしないと、患者に納得させることが大切です。


5)受容

やがて、患者は死が避けられないという事実を素直に受け入れようとする態度に至ります。それは絶望から来る諦めとは違い。いわば、為すべきことはすでに為し終えたと感じての休息のときです。患者は周囲に対して次第に無関心になっていきますが、対応を強いてはなりません。


6)期待と希望

私自身の経験によれば、特に意志後の生命を信じる患者の場合は、更に進んで、永遠性への「期待と希望」という第六の段階に達することが多いのです。例えば、天国で愛する人と必ず再会できるという希望と確信を抱く人の場合は、死にまさる生命を積極的に待ち望みながら、平安のうちに死を迎えています。



キューブラー=ロスの研究は、アメリカ人の患者を対象としたもので、日本人の患者の場合など往々にして感情表現が控えめなため、各段階の特徴ーとりわけ「怒り」の段階などーを識別しにくいかもしれません。しかし、死に行く患者は、日本人やアメリカ人やドイツ人である前に、まずひとりの人間です。最終的な死への恐怖に直面する時の反応は、本質的な共通部分が存在すると考えて良いのではないでしょうか。
これらの段階を通じて、死に直面する苦悩を乗り越えていくところに、人生最後の段階における人格成長のプロセスがあると思います。


引用:

よく生き よく笑い よき死と出会うよく生き よく笑い よき死と出会う
(2003/09/17)
アルフォンス・デーケン

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